井戸ポンプの2台直列接続の実験

(ここでは浅井戸ポンプの設置の実験について触れています。井戸の水位や水 量、横引きの距離により結果は変わってきます。洗面や食器洗いは水量が少なくてもある程度我慢できますが、ことシャワーとなるとやはり水 量がないと使い物になりません。そのため比較は湯量で行いました)


一 般的には井戸ポンプは 井戸の近くに設置すべきと言われています。井戸が住宅から離れた場所にある場合はポンプを井戸の近くに設置し、必要ならば小屋を作り、ポ ンプを保護するように勧めている場合も見受けられます。
し かし、電源を延長せず に確保できることや、風雨からポンプを保護する目的で軒下に設置することも多いようです。
このたび、当方の自宅の井戸を利用して、ポンプの設置場所の違いによる揚水量について調べました。



井 戸のデータ:ケーシン グφ100  深さ12m  自噴あり(0.5リットル/分) 井戸の最大水量35リットル/分(8月での計測) 

ポ ン プ:HITACHI  WT-200W(水圧等の設定は同一)  配管25mm塩ビ管


井戸からポンプに入るまでエルボが7 箇所あり、井戸のある 場所は高低差で1m高い条件です。

○ 設置方法NO1: 井戸から70m塩ビ管で横引きし軒下のポンプに入り、住宅に配管です。
 
給湯器の湯の吐出量:4.5リットル/分(ちょっと少ないが我慢できる)





○ 設置方法NO2:井戸 のすぐ脇にポンプを設置し、70m横引きして住宅に入ります。

給 湯器の湯の吐出 量:3.2リットル/分(実用性に欠ける湯量)





○ 設置方法NO3:同型 ポンプを住宅 軒下にも設置。ポンプの直列接続をしました。横引き距離が70mと長いので、井戸の脇に設置したポンプの水圧は減じて届くので、追加で設 置したポンプに悪 影響はないと思われますが、継続してその影響を見てゆきたいと思います。尚、設置後ポンプの動作には問題が出ていません。押し込み揚程の ケースで使用する よう指定されているスプリングは使用していません。

給湯器の湯の吐出量:6.5リットル/分(十分な湯量です)この時の湯ではなく水の吐出量:13.5 リットル/分




結論:

1.井戸水位が高く、水量が豊富な場合はポンプは井戸の脇では無く、電源や保守の観点から軒下への設置に利点が多いと思 われます。

2.井戸水位が低い場合はポンプの設置は井戸の脇が良いと思われます。横引きが長いと吸い上げ能力が落ちるからです。

3.横引きが相当に長い場合はポンプを2台直列に接続するのが有効です。消防のポンプで遠距離に水を送る時に直列接続を 行いますので実績のあ る方法と言えます。ただし、家庭用井戸ポンプでは構造が違っていますので、その点は考慮してください。(説明書を良く読む必要あり)


※様々な要因が関わってきますので、一概にこれが良いと断定する事はできません。試験するのが確実です。

塩ビ管の穴あけ加工


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